はじめに
「練習ではうまいのに、試合になると別人みたいに硬くなる」
これ、少年サッカーの保護者なら一度は感じたことがあるのではないでしょうか。私も、息子の試合を見るたびにヤキモキしてきました。
でも、ある時から声かけを少し変えてみたら、息子が驚くほど変わったんです。試合中の表情、プレー、そして家での会話まで。
この記事では、サッカー経験者のパパとして実践してきた「声かけ術5つ」と、絶対に言ってはいけないNGワードをまとめます。同じ悩みを抱える保護者の方の参考になれば嬉しいです。
なぜサッカー少年は試合で硬くなるのか
息子が試合で硬くなる理由を、親としていろいろ考えてきました。本人と話してみて分かったのは、複数の理由が重なっているということ。まずはその背景を整理してみます。
「失敗が怖い」という気持ちは、小学生にとってかなり大きなプレッシャーです。練習なら何度でもやり直せますが、試合の1回のミスは取り戻せない、と本人は思っています。だから守りに入ってしまうんですね。
そして「親の期待」。私自身、口に出していなくても、表情や態度で「頼むぞ」みたいな空気を出していたことに後から気づきました。子どもは敏感です。
さらに「周りの目」。小学校高学年になると、チームメイトや観戦している他の保護者の視線が気になり始めます。ベンチで失敗したら何を言われるか、と心配する子も少なくありません。
最後に「うまくやろう」と考えすぎてしまうこと。これは技術が上がってきた子ほど陥りやすい罠です。頭で考えると、体が動かなくなる。本人は精一杯やっているのに、結果としてかえって硬くなってしまうんです。
パパが実践した声かけ術5選
ここからは、実際にわが家で効果を感じた声かけを5つご紹介します。どれもシンプルですが、続けるうちに息子が明らかに変わっていきました。
① 試合前は「楽しんでこい」だけ
会場に着いて、ロッカーや集合場所で息子に声をかける時、私が言うのは「楽しんでこい」だけです。
それ以前は、「あの相手は走力があるから気をつけろよ」「前回みたいなミスだけはするなよ」と、つい戦術や注意点を伝えていました。でも、それが余計にプレッシャーになっていたんです。
「楽しんでこい」だけにしたら、息子の表情がふっと緩むのを感じました。試合は楽しむもの。そのスタンスを親が示すだけで、子どもは安心するんですね。
② ミス後は「もう一回やってみよう」
試合中、ミスをすると子どもは下を向きがちです。観戦している側からつい「何やってんだ!」と言いたくなる場面でも、私はぐっとこらえます。
ハーフタイムや終了後に声をかける時は、「ミスは誰にでもあるよ。もう一回やってみよう」と伝えます。これは現役時代の自分の経験からも、本当にそうだと思っています。
ミスを引きずる選手より、すぐ切り替えられる選手の方が、試合中も次のチャンスで結果を出せる。これは大人になっても変わらない法則だと感じています。
③ ナイスプレーは「具体的に褒める」
褒める時のコツは、具体的に伝えることです。「ナイスプレー!」だけだと、何が良かったか伝わらない。
例えば、「さっきの守備、相手が抜けると思ってたところで体を入れたじゃん。あれはすごい」と、シーンを思い出して伝えます。
そうすると息子は、「あ、お父さんちゃんと見てくれてる」と感じてくれる。そして「次もあのプレーを意識しよう」と前向きに考えるようになります。
私自身、子どものころに父から具体的に褒められた記憶は、何十年経っても残っています。具体性のある言葉は、子どもの記憶に深く刻まれるんですね。
④ 帰りの車内では「結果より過程」
試合の帰り道は、親も子も興奮状態です。だからこそ、ここでの会話が大事だと思っています。
勝ち負けに関係なく、私が話題にするのは「あのプレー、どう判断したの?」「次はどんな風にやってみたい?」といった、息子の頭の中を聞くこと。
「何点取った?」「相手は何点?」を聞くと、結果だけで終わってしまいます。そうではなくて、プロセスを言葉にさせる。これが子どもの成長につながると実感しています。
⑤ 寝る前は「今日のよかった3つ」
これは特に試合があった日にやっています。寝る前に、息子に「今日よかったこと3つ言ってみて」と問いかけます。
最初は「えーと、得点取った…ことかな」とぽつぽつしか言えなかったのが、今では「シュート1本、パスでアシストに繋がったプレー、最後まで走れたこと」と、自分で振り返れるようになりました。
ポジティブで一日を締めくくる習慣は、自己肯定感を育てます。サッカーだけでなく、人生全般に活きる声かけだと思っています。
絶対に言ってはいけないNGワード3つ
逆に、これを言ったら子どものやる気を一瞬で奪ってしまう言葉もあります。私自身も、過去にうっかり言ってしまって反省したことがあるので、書き残しておきます。
❌「なんで○○しなかったの?」
過去のミスを掘り起こす「なんで」は、子どもにとって責められている感覚になります。本人だって分かっているし、悔しい思いをしているはずです。
未来志向で「次はどうする?」と聞く方が、ずっと前向きな会話になります。
❌「お前なんて全然ダメ」
冗談半分でも、人格否定につながる言葉は子どもの心に深く残ります。プレーを批判するのと人格を否定するのは違う。これは大人として絶対に守るべきラインです。
❌「ほら見ろ、言ったとおりだろ」
予言が当たった時の「ほら見たことか」発言は、子どもの自尊心を傷つけるだけです。それを言われた瞬間、子どもは親に相談したくなくなります。
声かけで息子が変わった瞬間
ここで、わが家で実際にあったエピソードを一つ。
ある日の試合、息子はミスから連続失点を許してしまい、ベンチで完全に下を向いていました。私は何も言わず、ただ「次があるよ」とだけ伝えて、肩を軽く叩いて送り出しました。
後半、息子はゴール前でチャンスを掴み、見事ゴールを決めたんです。試合後の表情は、完全に晴れていました。
帰りの車内で「あのゴールの前、何考えてた?」と聞いたら、「お父さんが『次があるよ』って言ってくれたから、ミスのこと忘れて走れた」と。
子どもにとって、親の一言は本当に大きい。これを実感した瞬間でした。
それから半年。息子は試合中の硬さがすっかりなくなり、チームメイトとの関係も明らかに良くなりました。「お父さんに見てもらえてる」という安心感が、プレーにも表れているように感じます。
声かけの本質は「親自身の心構え」
5つの声かけを実践してきて、最後にたどり着いたのは「親自身の心構え」が一番大事だということでした。
子どもの人生は、子どものものです。親は伴走者、サポーターであって、選手ではない。これを忘れると、つい結果を求めてしまいます。
「結果が出るまで信じて待つ」「失敗を成長の機会と捉える」「うまくいかない日もあると認める」。こうした親の姿勢が、最終的に子どもに伝わるんですね。
短期的な結果より、長期的にサッカーを楽しんでくれること。それが私の願いです。
まとめ
サッカー少年への声かけは、技術指導以上に大切な親の役割です。
- 試合前は「楽しんでこい」
- ミス後は「もう一回やってみよう」
- 褒める時は具体的に
- 帰りの車内では「過程」を話す
- 寝る前に「よかった3つ」
そして、絶対に言わないNGワードを意識する。
声かけは魔法ではありませんが、続けていくと子どもの表情が確実に変わります。今夜の試合の帰り道、ぜひ一つ試してみてください。
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なお、「そもそもどんな子が伸びるのか」という観点で、たくさんの子を見てきて感じたことはこちらの記事にまとめています。この記事が「かける言葉」の話なのに対して、あちらは「伸びる子の共通点」の話です。あわせて読んでいただくと分かりやすいと思います。


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